虫歯の症状は、「歯が痛む」、「黒ずむ」といったわかりやすいものばかりではありません。
素人ではわかりにくい症状もあり、早期発見が進行を食い止めるカギです。
ここでは、虫歯になるメカニズムを解説した上で、3つの症状と放置のリスクについて説明していきます。
虫歯の症状!気づかぬうちにアナタも虫歯!?
Contents
そもそもなぜ虫歯になるの?虫歯になるメカニズム
健康な歯を虫歯にするのは、虫歯菌と呼ばれる細菌です。
虫歯菌は誰の口内にも存在している常在菌ですが、その虫歯菌の温床となるのがプラーク(歯垢)と呼ばれる、粘ついた塊です。
歯に付着しているプラークには、虫歯菌だけでなく、歯周病菌やその他の細菌も含まれています。
1mgのプラークに含まれる菌の種類は300〜400種類ともいわれ、その数はおよそ1億個いると言われています。
さて、「虫歯菌がどのように歯を破壊していくのか」ですが、その原因は虫歯菌が、私たちが普段口にする飲食物に含まれる糖から酸を作り出すことにあります。
酸には物を溶かす性質があることは多くの人が知っていると思います。
つまり、虫歯菌が作り出すこの酸が健康な歯を溶かしている状態が、”虫歯”と呼ばれる状態なのです。
それでは虫歯のメカニズムを見ていきましょう。
虫歯のメカニズム!虫歯の症状と進行ステップ!
ひとくちに虫歯といっても、その症状は1つではありません。
虫歯は進行度によってC0、C1、C2、C3、C4の5ステップに分けられ、それぞれ症状が異なります。
症状は主に3つのステップで進行していきます。
症状1.歯の色が変わる
歯の色が変わるのは、虫歯の初期段階であるC0、C1の症状です。
歯に小さな穴が空くことで、茶色や黒っぽい色が歯の凸凹に沿って帯状または斑点状に広がって見えます。
これは虫歯が作り出す酸により歯の表面のエナメル質が溶かされ始めている状態です。
ただし、痛みやしみといった自覚症状はほとんどありません。
症状2.歯が痛む・しみる
痛みやしみの症状が出てくるのは、C2、C3の段階です。
C2の段階では、菌がエナメル質の次の層である象牙質まで進行しています。
象牙質のすぐ下には歯の歯髄と呼ばれる歯の神経があるため、熱い物や冷たい物など刺激が強い物を食べると痛んだりしみたりすることがあります。
C3は菌が歯髄まで及んでいる状態です。
菌による炎症によってズキズキする強い痛みが起こったり、膿が溜まって痛みを伴う腫れを引き起こしたり、といった深刻な症状が出ます。
症状3.歯の神経が死ぬ・歯を失う
歯を構成するエナメル質や象牙質といった組織は溶かされて、原型はほとんど残っていない状態がC4です。
神経も死んでしまっているため、痛みやしみを感じない場合もありますが、虫歯菌は残っているので歯茎や顎の骨は引き続き破壊されていきます。
そして、そのまま放置すると、口内だけでなく身体全身に悪影響が出ることになります。
虫歯を放置するとこんなリスクが…
虫歯を放置するリスクは、歯を失うだけではありません。
放置し続けて歯の根っこに虫歯菌などの細菌が溜まると、歯茎の血液や顎の骨髄にまで菌が侵入していきます。
そして、血液から侵入した菌が全身に巡ると、心筋梗塞や肺炎といった重大な病気につながります。
また菌の侵入で顎が炎症を起こすと、高熱や嘔吐、骨の変形といった深刻な症状が出る骨髄炎になるリスクもあります。
→『虫歯を放置すると危険!?歯の健康と死亡率の関係・・・!』
「菌への免疫力が弱く普段から風邪を引きやすい」、「過去に血液や心臓の病気にかかったことがある」という人は、特にこうした病気にかかるリスクが高いので、「たかが虫歯でしょ」と放置することは絶対に避けましょう。
まずは虫歯にならないよう、虫歯を予防することが肝心です。
ただし、先ほども述べたように、虫歯の初期症状では痛みを感じず、虫歯になったことを気づかない可能性もあります。
万が一、虫歯の症状が見られる方は、放置せずにしっかりとした処置を行ってくださいね!
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