鏡を覗き、舌の状況を確認している人はいますか?
舌は健康のバロメーターとも呼ばれ、身体の状況を確認することができます。
舌の状態によっては口がクサくなったり、口内に痛みが出たりします。
今回は、舌の病気と症状、原因、治療法、症状に合わせたオススメ歯磨き粉を紹介致します。
舌の病気の原因・予防・治療方法!
Contents
『舌痛症』
『舌痛症』の症状
舌の病気でも多くの患者さんがいると言われているのが『舌痛症』です。
舌痛症になると、舌にヒリヒリとした痛みや、カーッとした痛みを感じます。
このような違和感を1日に2時間以上感じ、3か月以上慢性的な痛みが生じる場合は、舌痛症の可能性があります。
『舌痛症』の原因
舌痛症の主な原因と考えられているのは、7つあるとされています。
1. 歯磨きを行わず、口の中に汚れが溜まっている。不衛生な状況。
2. 亜鉛、ビタミン不足
3. 補綴物や入れ歯が合わない
4. 舌を噛む癖がある
5. 舌の神経痛
6. 単純ヘルペス感染
7. ストレス
上記の他には、糖尿病やシェーグレン症候群、脳や神経の病気が原因で舌痛の症状が現れる場合もあるので、注意が必要です。
また、舌痛で歯科医を受診し口の中の原因が考えられない場合、精神科を勧められることも多くあります。
舌痛は精神的な要素が主な原因と考えられています。
近頃は、病気を紹介するテレビ番組が多く放送されています。
それが原因で、舌のちょっとした変化にも過敏に反応を示し、「舌痛症かもしれない」と考え込んでしまう人もいます。
気になる方は、一度、医師の診断を受けてみましょう。
『舌痛症』の治療方法
上記で舌痛症の原因をご紹介しましたが、完治させる治療方法は確立されていません。
根本的な治療ではなく、”対処療法”と呼ばれる痛みを抑える治療を行います。
自然治癒する患者さんは、全体の3%であるといわれています。
多くの患者さんが日常生活に支障をきたさない程度に、痛みを上手く薬でコントロールさせ、慢性的な舌の痛みと向き合っています。
また、精神的な理由が考えられる場合は、舌に異常がないことを確認する為にも歯科医師の診断を仰ぎ、不安を取り除くことが大切です。
『地図状舌』
『地図状舌』の症状
子供や若い女性などに多く現れる舌の病気『地図状舌』です。
赤い班と白い班が地図状のように現れるためにその名が付けられました。
初期は、舌の一部が白色になった円形や楕円形の形をした班が現れ、その中心部に赤い班が存在するのが特徴です。
病状が進むにつれて、班がだんだんと大きくなりそれぞれの班が重なり合い、地図状の模様が形成されていきます。
班の模様は日々変化し、数週間や数か月で班が消える場合もありますが、数か月から数年もの間、地図状舌に悩まされている患者さんもいます。
痒みや痛みなどを伴う事はほとんどなく、痛みがあった場合も少しヒリヒリとした痛みが生じる程です。
地図状舌の患者さんの舌の表面には、『溝状舌』と呼ばれる多数の溝が現れるのも特徴のひとつです。
『地図状舌』の原因
地図上舌の原因は、はっきりと解明されていません。
現在はビタミン不足やストレスなどが原因と考えられています。
そのため、バランスのとれた健康的な食事や、良質な睡眠、ストレスを軽減させせることが重要だと考えられています。
『地図状舌』の治療方法
痛みなどの症状がない限り、治療は必要ありません。
原因が解明されておらず、痛みがある場合は、患部にステロイド軟膏を塗布し治療します。
多くの患者さんは審美的な悩みを抱えてしまうことがありますが、ビタミン剤を服用したり、毎日の歯磨きと、うがい薬でうがいを行い、口の中を清潔に保つことで、症状が改善させれる場合もあると、報告されています。
『毛舌症』
『毛舌症』の症状
『毛舌症』とは2通りの症状があり、舌が白くなってしまう『白毛舌症』と、舌が黒くなってしまう『黒毛舌症』と呼ばれる症状が現れる、舌の病気です。
自覚症状は審美的な症状以外は特にありません。
舌の表面全体が白くなったり、黒くなってしまうので「大きな病気では?」「もしかすると悪性では?」と心配される患者さんも多く見受けられますが、着色変化以外に身体に影響を及ぼす症状は現れず、良性の疾患となります。
『毛舌症』の原因
舌の表面には、舌乳頭と呼ばれるボツボツとした小さな突起物があります。
舌の表面がザラザラしているのは、この舌乳頭があるためです。
舌乳頭には味覚を感じる重要な役割があります。
その舌乳頭にある乳頭が、カンジダ菌と呼ばれる真菌の感染によって長くなり、毛が伸びたような状況となり、色素沈着が起こりやすくなった結果『白毛症』や『黒毛症』になってしまうと考えられています。
これら症状を引き起こす原因は、口内の不衛生さにあるといわれています。
毎日の歯磨きを怠ることで口の中が不衛生になっている状況が続いたり、ステロイド剤の投与、トローチを服用したことなどが毛舌症を引き起こすといわれています。
また、喫煙やアルコール摂取、放射線照射などの外部的刺激や、舌粘膜の神経障害、胃腸障害、糖尿病などの疾患から『毛舌症』の症状が現れるともいわれています。
『毛舌症』の治療方法
色素沈着の恐れのある喫煙、ワイン、コーヒー、カレーなどをなるべく避け、舌ブラシでブラッシングすることで改善されます。
うがい薬を使用したうがいも効果的であり、日々のオーラルケアが重要となります。
また、舌を洗いすぎることも良くないとされているので、適正なブラッシング回数、ブラッシング時間が大切になります。
→参考記事:『舌の汚れと口臭の関係!』
1度改善したにも関わらず、症状が繰り返し現れる場合は、何かしらの疾患が原因の場合もあるので、必ず歯科医院を受診しましょう。
以上、舌の病気3例をと、その症状、原因、治療法をご紹介しました。
舌の病気は、自分で気づくことのできる疾患であり、普段と少し違った違和感を感じた場合などは、歯科医院への受診をオススメします。
なお、受診の際は、口腔外科のある歯科医院で受診するようにしましょう。
舌は話す時、ご飯を食べる時、飲み物を飲む時などに使用する大切な器官であり、日々のケアが重要となります。
→参考記事:『正しい舌の磨き方!舌ブラシの注意点と効果!』
今回ご紹介した舌の病気は、ほんの一部です。
症状がないものから、痛みを生じたり、放置していたら命に係わる疾患の場合もあります。
そのような疾患を予防し、健康な舌を保つためにも、毎日の歯磨きに加え、舌ブラシでのブラッシングに気をつけましょう。
→参考記事:『押さえておきた!オススメの舌ブラシ 4選!』
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